26.04.01
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お風呂と認知症
こんにちは、医師の中島です。 前回は、入浴は健康寿命を延ばすことにつながるが、逆にリスクにもなりうるというお話でした。 ⼊浴関連事故の原因はご存知でしょうか? 「ヒートショック」と「浴室内熱中症」です。 ヒートショックは、急激な温度の変化によって血圧が急激に上下し、めまいや立ちくらみを起こしたり、ひどい場合には失神したり、心臓や血管等の疾患を引きおこし、特に冬場の時期はお風呂やトイレなどどこでも起こる可能性があります。毎年、ニュースでもよく取り上げられますね。 浴室内熱中症は、長湯や高温での入浴により体があたたまることで血管が広がり、血圧が低下して起きる体調不良です。原因としては、のぼせなどが関係しています。ですが実際、気づかないうちに倒れてしまい、倒れているのが発見された時には溺死となっていることが多く、あまり世間では知られていません。 ですので、今回はまず浴室内熱中症について。 入浴時の熱中症予防には、入浴前後にコップ1杯程度の水分補給が欠かせません。 大塚製薬の研究では、41度の風呂に15分間入浴すると、約800mlの水分が失われたと報告されています。体が脱水状態になると熱中症が重症化しやすく、また血液の粘度が高まって血栓ができやすくなります。 こうした入浴事故を防ぐには、清費者庁も呼びかけていますが、前回お話したように、「湯温41度以下、湯に浸かる時間は10分まで」にしましょう。 また、風呂上がりは冷たい飲み物が欲しくなりますが、せっかく温まった体の芯が冷えてしまうので、常温の飲み物、白湯や麦茶などがおすすめです。 麦茶は大麦を煎った時に生じる香り成分のアルキルピラジンに血液の流動性を高める働きがあり、血栓予防に効果的です。 牛乳も脱水を回復させる効果が高いという報告があるため、お風呂あがりに適しています。 一方、緑茶やコーヒーなどに含まれるカフェインは利尿作用があり、脱水を進めてしまうので要注意です。風呂あがりのアルコールは格別ですが、カフェインよりも強力な利尿作用で血管内の脱水を進めてしまうため、これも避けたほうがいいでしょう。 そして、意外とやってしまいがちなのが食事直後の入浴。飲酒後の入浴は血行が良くなりすぎて脈拍数が上がり、心臓に負担がかかってしまうので厳禁ですが、たとえ飲酒をしなくても、食事直後は消化のために血液が消化器系に集まっています。それが入浴で体が温まることで全身に血液が拡散してしまい、消化吸収の妨げになります。 また、入浴による水圧で消化器系を圧迫して消化不良を起こしたり、吐き気を催す可能性があるのでお勧めできません。食後は最低でも1時間ほどしてからか、食事前の入浴がいいでしょう。 いかがでしたか? 食直後やアルコール摂取後のタイミングを避け、入浴時間と水分補給に気をつければ、入浴は単なる日常習慣のひとつではなく、立派な健康法になりえます。 「お風呂に入るのは面倒だ」、そんな日もあるかと思いますが、自分の健康のため、そして認知症を予防するためにも、好きな入浴剤とともにお風呂を楽しみましょう。 週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

























