26.10.14
NEW
認知症のリスクになる「インスリン◯◯◯」
こんにちは、医師の中島です。 前回、糖尿病と認知症の関わりについて、認知症のリスクをもたらすものの一つが脳の慢性炎症でした。 そして今回はもう一つのリスク、「インスリン抵抗性」についてのお話です。 食事によって血液中に大量の糖が急激に流入すると、血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」が発生します。このとき、私たちの身体は血糖値を下げようとして、膵臓から「インスリン」を大量に分泌しますが、間食や早食いを繰り返し、常に高血糖状態をつくり出していると、血中のインスリン濃度が常に高い「高インスリン状態」のままインスリン濃度が下がらなくなってしまいます。常にインスリンが溢れている状態に晒され続けると、今度は細胞がインスリンに慣れてしまい、その効き目が悪くなります。これが、インスリンに対して反応しにくくなる「インスリン抵抗性」と呼ばれる状態です。 膵臓を雑巾のように何度も絞って無理やりインスリンを出し続けた結果、身体がその刺激に鈍感になってしまうのです。 疫学調査によると、体内でこのインスリン抵抗性が強まると、脳内でも同じようにインスリンの効きが悪くなり、アルツハイマー病のリスクは1.2倍に跳ね上がることが示されています。 アルツハイマー病には、脳内のゴミ(アミロイドβ)の蓄積が関係していると考えられていますが、実はインスリン抵抗性が、そのリスクを爆発させる決定的なトリガー(引き金)になる可能性が示唆されています。たとえ遺伝的リスク(認知症の原因物質であるアミロイドβの蓄積を招きやすいAPOE4遺伝子など)を持っていたとしても、身体にインスリン抵抗性がなければ、そのリスクは大きく抑制されるのです。 前回の福岡県久山町で行われた調査では、遺伝的リスクがある人であっても、身体にインスリン抵抗性や高血糖がない場合は、アルツハイマー病の特徴である老人斑(アミロイドβがたまってガチガチに固まった脳のシミのようなもの)の蓄積を抑え、発症リスクを大幅に軽減できる可能性が示されています。 インスリン抵抗性は遺伝的要素も関連していますが、最も大きな要因は肥満であり、とくに内臓脂肪の蓄積が影響します。 食事、運動、睡眠、ストレスなどの生活習慣の見直しが必要となりますが、とりわけ食事については、当院では管理栄養士による個別の相談・指導を行っておりますので、専門的なサポートを受けながら自分に合った方法を見つけ、無理のない範囲から始めてみましょう。 当院サイト https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/nutritional-guidance/ インスリン抵抗性についてはまだ解明されていない部分もありますが、認知症を予防するには、インスリン抵抗性をつくらないことが重要なのは間違いないようですね。 週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

























