26.07.20
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ピロリ菌は胃がんだけじゃなく、大腸がんのリスクも上げる!?
おはようございます。医師の秋山です。 今回は、ヘリコバクター・ピロリ菌の最新の知見について解説したいと思います。 ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)という名前は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。 ピロリ菌は子供の頃(5歳前後まで)に感染して胃の中に住み着き、ちくちくと胃の中を痛めつけて慢性的な炎症を起こし、そして胃がん発症のリスク因子となります。 感染経路としては、井戸水を飲んで育ったり、ピロリ菌陽性の両親からもらったりがほとんどです。 さて、そんなピロリ菌ですが、胃がんだけでなく大腸がんのリスク因子にもなっているのではないかという報告が出てきてます。 Frías-Ordoñez JS,et al,” Helicobacter pylori and Colorectal Cancer: Meeting Sir Austin Bradford Hill's Causality Criteria” Helicobacter.2025 Mar-Apr;30(2):e70024. doi: 10.1111/hel.70024. 具体的には、「ピロリ菌感染者は、大腸がんのリスクが1.3倍〜2倍程度高くなる可能性がある」ということです。 それにしても、なぜ胃の中に住み着いているピロリ菌が大腸がんのリスク因子になると言われているのでしょうか? 論文による仮説ですが、 ①ピロリ菌感染により、胃酸分泌能低下や胃酸の強さが弱まることにより、腸内細菌叢に変化を来たす。特に、酪酸菌が減りやすいという報告がある。 ②大腸の粘膜を保護する粘液分泌能が低くなり、大腸に慢性的な炎症が起こる。 ③アッカーマンシア菌という、粘膜をたくさん食べる菌が増殖して、さらに大腸を保護する粘液が減ってしまう。 こんな感じでピロリ菌が大腸がんのリスク因子になっているのではないかと言われています。 もしピロリ菌が大腸がんのリスク因子になるのであれば、ピロリ菌の除菌をすれば、大腸がんのリスクが下がることになりますよね。 実際にそのような報告があるか調べてみたらありました。 Li X,et al,” Helicobacter pylori infection, anti- Helicobacter pylori treatment and risk of colorectal cancer and adenoma: an observational study and a meta-analysis” EClinicalMedicine. 2025 Jun 9:84:103299. doi: 10.1016/j.eclinm.2025.103299.eCollection 2025 Jun. 世界中の約4,900万人のデータを解析した報告なのですが、ピロリ菌除菌を行うことにより、大腸がんと大腸ポリープのリスクが約56%も低下するということでした。 いかがだったでしょうか。 昨今の衛生的な環境のおかげで、ピロリ菌に感染している人は少なくなってはいますが一定数は存在しています。 ピロリ菌陽性の人はぜひピロリ除菌を行いましょう。 そうすれば、胃がんだけでなく大腸がんのリスクも減らすことができるのではないかと思います。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

























