24.09.16
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腎機能を気にせずしっかりとたんぱく質を摂りましょう!
おはようございます。医師の秋山です。 私と平島先生の共著である「たんぱく質と腸の新常識」がいよいよ9月26日に発売されます。 現在、Amazonで予約できますが、予約の段階ですでにベストセラーとなっています。今から発売が楽しみです。 さて、今回はそんなたんぱく質に関連した内容です。 「腎機能が悪いとたんぱく質を摂り過ぎちゃダメ!」と思っている人は多いのではないかと思います。 その通りです。たんぱく質の代謝産物は最終的に老廃物となりますので、腎機能が悪い場合だとこの老廃物が溜まってきて、体に悪さをするんですよね。 それでは腎機能の程度とたんぱく質の摂取量の関係について解説しますが、腎機能は一般的にeGFRという数値で調べ、これを元に腎機能のステージが決まります。 それぞれのステージに対するたんぱく質の推奨摂取量は ステージ1 eGFR90以上 特に制限なし ステージ2 eGFR60~89 特に制限なし ステージ3 eGFR30~59 0.8~1.0g/kg/日 ステージ4 eGFR15~29 0.6~0.8g/kg/日 ステージ5 eGFR15未満 0.6~0.8g/kg/日 です。 ちなみに私のeGFRが89くらいですので、ステージ2になりますね。 ステージ4,5が透析や透析の前段階になりますので、健康な人はステージ1~3だと思ってください。 日本人の摂取基準(2020年度版)によると、たんぱく質推奨摂取量は 男性は18歳~64歳→1日65g、65歳以上→1日60g 女性は18歳以上→1日50g となってます。 ただし、最近の論文では、ステージ1~3の人であれば、たんぱく質摂取量に比例して寿命が伸びるとのことです。 Carballo-Casla A,et al;” Protein Intake and Mortality in Older Adults With Chronic Kidney Disease.”JAMA Netw Open.2024;7:e2426577 具体的には、ステージ1~3の人で、1.6g/kg/日程度のたんぱく質摂取量までなら寿命が伸びるというデータが出ています。 つまり、ある程度たんぱく質は摂った方が良いということになりますね。 例えば、体重60kgの人で、腎機能のステージ1~3であれば 60kg×1.6g=96gまでなら食べても大丈夫です。むしろ寿命が延びるということになります。 これは目安としては、1回の食事でたんぱく質を30g程度摂れば良いということになりますね。 いかがだったでしょうか。たんぱく質はある程度はしっかりと摂れば長生きできるようになります。 特に、朝食がたんぱく質の摂取量が少なくなりがちですので、プロテインを飲むなどで補ってあげましょう。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。