
25.05.07
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低GI食品のこと、ご存知ですか?
こんにちは、医師の中島です。 低GI食品の具体的な取り入れ方についてのお話ですが、まず前提として、高GI食品を完全に避けることはほぼ不可能ですので、低GI食品と上手く組み合わせることが大切です。 そのためには、ある程度、高GIと低GIを見分けるポイントを知っておく必要があり、以下のものが基本になります。 ①炭水化物は白い食べ物より黒い食べ物を選ぶ ②食物繊維が多いものを選ぶ ③甘いものは要注意 ひとつずつみていきましょう。 ① 炭水化物は白い食べ物より黒い食べ物を選ぶ 炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていますが、そのほとんどが糖質です。米やパン、うどん、パスタといった麺類などの穀類ですが、精白されていないそばや全粒粉パンなどはGI値が低い傾向にあります。 また、精白されていない主食は胚芽部分が除去されず残っており、食物繊維やミネラルなどの栄養素も豊富です。 例えば、お米なら白米よりも茶色の玄米、白い食パンより茶色のライ麦パン、うどんよりそばのほうがGI値は低くなります。精製されていない色のついた炭水化物は糖の消化吸収をゆるやかにしてくれる食物繊維を多く含むため、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるのです。砂糖も、精製された上白糖より黒砂糖のほうがGI値は低くなります。 ②食物繊維が多いものを選ぶ 白米と玄米の違いのように、食物繊維がどれだけ含まれているかがポイントになります。食物繊維が豊富であればあるほど、食後の血糖上昇がゆるやかになります。糖質がたくさん含まれている果物では、例えばりんごやいちごなどの食物繊維が豊富な果物は、食物繊維が少ないメロンやスイカ、パイナップルよりもGI値が低くなります。また、フルーツジュースや果物ジャムはGI値は高くなりますが、これらは食物繊維が失われているからです。 食物繊維が豊富とされる野菜の中では、緑黄色野菜は積極的に摂って構いませんが、でんぷん質を多く含むじゃがいもやさつま芋などのイモ類、カボチャは高GI食品になるので、摂り過ぎに注意です。 ③甘いものは要注意 甘さはほとんどがブドウ糖です。当たり前ですが、甘すぎるものを食べると、血糖値が急上昇します。砂糖を使ったケーキやアイス、大福など、また食物繊維の少ない甘すぎる果物も高GI食品になります。シロップ漬けの缶詰フルーツも要注意です。 上記のポイントをふまえて、「食べる順序」と「食べ合わせ」を意識すると、GI値を抑えることができます。 食事の際、まずは食物繊維を多く含むサラダを食べたり、パンを食べる時にはオリーブオイルなどと一緒に食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。低GIの豆乳や牛乳を一緒に飲むのもいいですね。毎食の内容についてもみていきましょう。 朝食 パン食であれば、ライ麦パンなどの全粒粉を使用したパンがおすすめ。パンに合わせやすいチーズやヨーグルト、牛乳など、血糖の急上昇を抑えるタンパク質を加え、タンパク質から食べ始めることで、その効果はさらにアップします。 ご飯なら白米のみではなく、玄米や雑穀米を混ぜたり、納豆やのりなど低GIの食品と合わせて食べるのもいいですね。良質なたんぱく質を摂れる納豆や豆腐も加えるとさらに効果はアップします。 昼食 炭水化物の中で低GI食品なのがお蕎麦。豊富に含まれるビタミンB1は疲労回復にも効果的ですし、イライラも解消してくれます。食物繊維が豊富なキノコ類やわかめや昆布、もずくなどの海藻類との組み合わせがベスト。先にキノコ類や海藻類を食べることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。 おやつ なるべく血糖変動がゆるやかなものを食べましょう。ナッツや干し芋、寒天、バナナなどがおすすめですが、なかでもオススメなのが大豆焼き菓子です。 大豆焼菓子に含まれる食物繊維や脂質、たんぱく質などの食品成分が、糖質の吸収を穏やかにする働きをします。SOYJOYなどコンビニで手軽に買えますね。大豆は低GI食品のなかでもずば抜けて優れた食品ですので、できるだけ毎日摂るようにしましょう。 夕食 血糖値を上げやすい献立でも、まずは食物繊維やミネラルが豊富なものから食べるようにすると、糖の吸収を抑える効果が期待できます。夕食が21時以降など遅い時間になってしまう場合は血糖値が上昇しやすいので、早めの時間に野菜と炭水化物、遅めの時間に主菜、というように、2回に分けて食べると血糖値の上昇がゆるやかになるという研究結果が報告されています。 最後に、「セカンドミール効果」というものがあります。 セカンドミール効果はGIの提唱者ジェンキンス博士が1982年に発表した概念です。最初に摂る食事(ファーストミール)が、次に摂った食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響するということを「セカンドミール効果」と定義しています。 つまり、午後のおやつに低GI食品を選択すれば、夕食後の血糖値の上昇もコントロールできる(急上昇を抑えられる)ということです。セカンドミール効果も考えて、朝食や間食などに低GI食品を積極的に取り入れていきましょう。 連休明けの方も多いと思いますが、まずは今日一日がんばっていきましょう。