
25.08.11
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「1日1万歩歩きましょう!」は本当なのか?
おはようございます。医師の秋山です。 さて、今回はウォーキングについての最新の知見について解説したいと思います。 皆さんも一度は「1日1万歩を目標に歩きましょう!」と聞いたことがあるのではないかと思います。 1日1万歩って結構きついですよね。なかなか達成できるものではありません。 そもそも本当に1日1万歩も歩く必要があるのでしょうか? この答えについて、最近発表された論文報告が面白かったので紹介したいと思います。 2025年7月に発表された最新の論文報告です。 Ding Ding, et al,” Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis” Lancet Public Health, 2025 Aug;10(8):e668-e681. オーストラリア・シドニー大学を中心とし研究グループが、2014年1月~2025年2月の10年間に発表された57件の研究論文を集めて結果を解析し、1日の歩数と健康の関係について発表しました。 結果ですが、全死亡率、心血管疾患死亡率、認知症などについて、1日2,000歩程度でこれらのリスクが少しずつ低下し始めて、5,000歩〜7,000歩あたりが一番効率良くリスク低下が見られるとのことです。 具体的に、1日2,000歩と1日7,000歩を比較すると以下のようにリスク低下が認められています。 リスク低減率 全死亡率 約47% 心血管疾患発症 約25% 心血管死亡 約47% がん死亡 約37% 2型糖尿病発症 約14% 認知症 約38% うつ症状 約22% 転倒のリスク 約28% となっています。 1日7,000歩を超えると、リスク低減の度合いが緩やかになるとのことですので、1日7,000歩を目標にして歩くのが一番効率が良いと思います。 また、今回の論文では、歩行スピードや強度(早歩きなど)、歩行の持続時間に関する明確な条件はありませんでした。 つまり、あくまで歩数と健康の関係を評価対象としており、早歩きをしなくても、連続で7,000歩歩かなくても良くて、とにかく1日の合計で歩けば良いということになります。 私は毎日自宅からクリニックまで徒歩通勤していますが、往復で合算するとだいたい6,000~7,000歩くらいです。 ですので、これくらいがちょうど良いのかもしれませんね。 皆さんもぜひ1日7,000歩を目指して歩きましょう。 現在福岡院は夏休み中です。8月17日から診療再開ですのでよろしくお願いします。