
25.03.12
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消臭剤のこと、ご存知ですか?
こんにちは、医師の中島です。 皆さん、ニオイには敏感ですか? 近頃販売されている消臭剤は、コロナの影響もあってか、衣類の消臭だけでなく、ソファやカーペットなど洗えないものの消臭・除菌をも謳う時代になり、スーパーやドラッグストアには様々な香りを放つ商品が所狭しと並んでいますね。 では、その消臭剤は安全でしょうか? 消臭スプレーが身体によくないといわれる所以としては、主に除菌成分の危険性と香料由来の香害の2点にあるようです。 まず、消臭スプレーには除菌効果を高めるために「エタノール(アルコール)」や「塩化ベンザルコニウム」などが使われることが多いようです。 これらの成分は強い除菌力を持つ一方で、人体への影響が指摘されています。 特に、塩化ベンザルコニウムは、「第四級アンモニウム塩」という化学物質の一種で、非常に強い殺菌作用があり、悪臭の元となる成分(細菌など)を取り除くことで、消臭効果が得られます。一方では、吸い込んだり浴びたりすると、嘔吐下痢、筋肉の麻痺などの中毒症状を引き起こしたり、アトピーや喘息などのアレルギー症状が出てしまうこともあります。 化学物質に敏感な乳幼児やペットへの影響も心配されています。 除菌成分の危険性は、消臭スプレーを使用する際に注意しなければならないポイントの一つです。 次に、「香害」という言葉をご存知でしょうか? 消臭除菌スプレー、柔軟剤、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの合成香料を含む製品による健康被害のことで、体臭は含まれません。症状は目やのどの痛み、せき、頭痛、めまい、吐き気、アレルギー症状などを誘発しますが、重症化すると化学物質過敏症を発症する恐れがあります。 化学物質過敏症は脳に作用することが大きな問題で、主症状として自律神経障害(頭痛、倦怠感)、循環器障害(動悸、不整脈)、免疫障害(皮膚炎、喘息)、消化器障害(下痢、便秘)、眼科的障害(視力低下)、内耳障害(耳鳴り)、精神障害(うつ状態、ふるえ)、運動器官障害(関節痛、筋肉痛)など全身に及びます。現在では10%程度の人に化学物質過敏症の傾向が見られ、薬はなく化学物質を避けるしかないというのが現状です。 対策として、消臭スプレーを選ぶ際には、その安全性を確認するためにメーカーが安全性試験の結果を公表しているかどうかがポイントになります。 例えば、「急性経口毒性試験」や「皮膚一次刺激性試験」などの試験結果を確認することで、誤って飲み込んでしまった場合や、皮膚に付着してしまった場合の危険性を知ることができます。 しっかりと確認して、安心して使用できる製品を選びましょう。また、「無香料」や「無香性」のものを選べば香害のリスクを軽減することができます。 いかがでしたか? 消臭スプレーは、もはや私たちの生活に欠かせない便利アイテムですが、その安全性についてはしっかりと確認しておく必要があります。 使い方を誤ると身体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、安全性の高い製品を選び、正しく使用することでその危険性を大幅に減らすことができます。 自分や家族の健康を守るためにも、消臭アイテムの選び方にはこだわっていきたいものですね。 週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。