
25.03.26
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アブラのこと、ご存知ですか?
こんにちは、医師の中島です。 前回からの続きです。 避けたい油の代表格は「トランス脂肪唆」です。 手軽な朝ごはんのパンや、子供も大好きなケーキやクッキー、ドーナツ、スーパーの揚げ物など…ついつい手が伸びてしまうこれらに共通して含まれている可能性が高い「トランス脂肪酸」は、特に気をつけたい"危険”な油です。 トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、次の2種類があります。 ①天然にできるもの・・・牛・羊・山羊などの肉や乳、そしてその加工品には微量のトランス脂肪酸が含まれます。 ②水素添加という工業的な技術により、植物油脂を固形にする際に出来る、自然界には存在しないもの。マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどの油脂食品は、②の工業的な技術によって作られたものです。原材料表示に、「植物性油脂」「植物性加工油脂」などと書かれている場合は②を含む可能性があります。 トランス脂肪酸を摂りすぎると、血液中のLDLコレステロールが増加し、HDLコレステロールが減少することが示されており、動脈硬化や心臓疾患のリスクが高まります。また、発達障害や学習障害、うつ病、ガン、アルツハイマー病、不妊症・・など、影響は全身に及ぶと考えられています。 さらに、トランス脂肪酸は大腸がんの原因になりうるという報告があります(Lisa C Vinikoor et al. Cancer Causes Control. 2010 Jan.)。 また近年、大腸癌の発生が、平均15年若年化しているという報告もあります(Karla Cameron et al. Gastrointest Endosc. 2018 Nov.)が、原因の一つとして、子供の頃からトランス脂肪酸を含む加工食品を摂る機会が増えているのではないかと考えられています。 いかがでしたか? トランス脂肪酸が含まれている食品は世界的には規制される方向にあります。しかし、日本では規制はおろか、表示義務さえありません。 したがって、トランス脂肪酸が含まれている可能性のある食品、すなわちマーガリン(ただし、水素添加物フリーのものは可)、ファットスプレッド、ショートニング、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などの摂りすぎには気をつけましょうね。 週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。