
25.07.28
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認知症を予防するために気をつけること。
おはようございます。医師の秋山です。 さて、今回は認知症の話をしたいと思います。 日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳です。 これが健康寿命になると、男性が約72歳、女性が約75歳になります。平均寿命と健康寿命には男女ともに10歳の乖離があるわけです。 つまり、我々は人生最後の10年間は介護、認知症、寝たきりなどになって過ごすことになります。 特に日本人にとって認知症は深刻な問題です。2025年時点で認知症患者が約700万人と言われています。実に65歳以上の5人に1人が認知症であり、この割合は世界一多いんです。 認知症にはなりたくないですよね。どうしたら認知症を防げるんでしょうか? 実は、2024年にLancetという権威ある雑誌から、「認知症を予防する14項目」が発表されました。 Gill Livingston, et al, “Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission” Lancet. 2024 Aug 10;404(10452):572-628. 論文によると、認知症の発症に関わる因子が14項目あり、それぞれを気をつけることによって、認知症の発症リスクを最大で45%下げることができるとのことです。 それでは一気に14項目を挙げてみましょう。カッコの%は、リスクが下がる割合です。 1.教育の不足(5%) →子供の頃に質の高い教育を受けるだけでなく、成人後も認知機能を刺激するような活動をしましょうと提唱しています。 2.難聴(7%) →難聴がひどい人は補聴器の使用を推奨しています。 3.高LDLコレステロール血症(7%) 4.うつ病(3%) 5.頭部外傷(3%) →頭部外傷も認知症のリスクが上がりますので気をつけてください。 6.運動不足(2%) →適度な運動は認知症予防になります。 7.糖尿病(2%) 8.喫煙(2%) →受動喫煙も認知症リスクを高めるので要注意です!自分だけでなく周りの人も巻き込んでしまいます。 9.高血圧症(2%) 10.肥満(1%) 11.過度の飲酒(1%) →純アルコール量で1日20g以下に制限するのが望ましいです。 12.社会的孤立(5%) 13.大気汚染(3%) 14.視力低下(2%) →聴力低下だけでなく、視力低下も注意が必要です。 こんな感じですね。 これら全てを改善したとしても、必ず認知症を予防できるとは言えませんが、自分でできることはやってみると良いのではと思います。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。