25.01.13
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食物繊維の正体ってなんだ?
おはようございます。医師の秋山です。 さて、今回は、「食物繊維」について解説していきたいと思います。 「食物繊維」と聞くと何を想像しますか? 食物繊維の代表と言えば野菜ですよね。硬くて繊維質で消化しにくいもの・・・そんなイメージではないでしょうか? そもそも「食物繊維」って何からできているかご存知でしょうか? ご存知な人もいるとは思いますが、食物繊維は「糖」からできてます。 「糖」が鎖みたいにたくさん繋がってできてるんですね。 詳しく説明すると、 「糖」が1個だけのものを「単糖類」と言い、ブドウ糖とか果糖がこれです。 「糖」が2個繋がってるのを「二糖類」と言い、砂糖(ショ糖)や乳糖がここに入ります。 「糖」が3個以上繋がっているのを「多糖類」と言い、オリゴ糖、でんぷんなどがここに入ります。 一般的に、糖のつながりが少ないもの、例えば単糖類や二糖類は消化吸収されやすいので胃から小腸までで全て吸収されてしまいます。 さて、それでは「多糖類」はどうでしょうか。 糖と糖と繋げる結合には、具体的にα(アルファ)結合とβ(ベータ)結合があります。 人間は、α結合を分解する酵素を持ってますが、β結合を分解する酵素は持ってないんです。 ですから、多糖類の中でもα結合してるものは胃から小腸までで消化吸収されやすく、β結合してるものはほとんど消化吸収されないということになります。 例えば、多糖類であるでんぷんは消化吸収されやすいんですが、これはα結合してるからなんですね。 そしてβ結合してる多糖類はほとんど消化吸収されずに大腸まで到達します。 →大まかに言うとこれが食物繊維の正体です。 人間はβ結合を分解することはできませんが、人間の腸に住んでいる腸内細菌の中にはこれを分解できる細菌がいます。 そしてその細菌は、自分の好物である食物繊維が大腸内に入ってくると、それを分解して発酵します。 食物繊維を発酵することにより、腸内細菌は短鎖脂肪酸を作り出します。この短鎖脂肪酸が体に良い影響を及ぼすんです。 ちなみに、食物繊維は生だろうが焼こうが煮ろうが成分は変わらないので好きに調理しても全然構いません。 いかがだったでしょうか。食物繊維は今や第6の栄養素と言われています。 毎日しっかりと食物繊維を摂りましょう。 それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。