24.12.11
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気づいていますか?ミネラル不足
こんにちは、医師の中島です。 前回、前々回と亜鉛やセレンなどのミネラルについてお話しました。 今回は5大栄養素の一つであるミネラルについての知識を確認しておきたいと思います。 「なんとなく体調が優れない…・・」というとき、ミネラル不足が原因の一つかもしれません。 現代人は慢性的にミネラルが不足しており、現代版の栄養失調ともいわれています。 ミネラルとは 水や土壌などに存在し、体内では合成することができない栄養素で、体に必要な「必須ミネラル」と、健康に害を与える「有害ミネラル」の2つに分類されます。 ミネラルのイメージが強いマグネシウムやカルシウム、セレン、亜鉛などは「必須ミネラル」に分類され、微量でありながら栄養素の働きを高める大切な役割をしています。 逆に、「有害ミネラル」は、その名の通り、体に悪影響を及ぼすミネラルです。アルミニウムやヒ素、カドミウム、水銀、鉛などがあり、必須ミネラルの体内への吸収や働きを妨げて代謝を停滞させるため、さまざまな健康障害を引き起こす要因となります。つまり、体内に溜まっている有害ミネラルの解毒をしつつ、必須ミネラルを補給することが、健康へのいちばんの近道なのです。 ミネラル不足の原因 ●農作物のミネラルの減少 農業の近代化によって、化学農薬、化学肥料が多用されるようになりました。そのため、水や土壌が汚染され、ミネラルが枯渇したことで、作物に含まれるミネラルも激減しました。土中の微生物も減り、土に生命力が無くなり、化学肥料に頼らざるを得ないという悪循環に陥っています。 ●ミネラルが抜かれた加工食品 コンビニ弁当や外食チェーン店などで使われる水煮食材や冷凍食材は、加工の段階でミネラルはほぼ溶け出てしまい、ほとんど残っていません。 ●食品添加物や白砂糖のとり過ぎ ハム、ソーセージ、インスタント麺、練り製品などの加工食品に添加されている食品添加物「リン酸塩」は、体内のミネラルと結合して吸収を阻害するため、ミネラル不足につながります。また白砂糖のとり過ぎは、体内のミネラルを浪費しています。 ミネラル不足が続くと脳が栄養失調に 脳は、私たちの体の司令塔です。 ミネラル不足が続くと、脳の「神経伝達物質」の量が不十分となり、体の司令塔である脳の働きが鈍っていきます。ミネラル不足の現代では脳が栄養失調になりやすいため、神経伝達物質の合成や情報伝達が正しく行われるよう、ミネラル摂取を意識した食生活を心掛けることが大切です。 ミネラル摂取は「バランス」が大切 ミネラルは天秤のようにそれぞれが関連し合って働いているため、さまざまなミネラルをバランスよく摂る必要があります。また、それは、体内に溜まっている毒素や有害物質を排出するデトックス(解毒)効果にもつながります。体内に毒素が残っていると、栄養は十分に吸収されず、体調不良や肥満の原因になるともいわれています。 いかがでしたか? 普段あまり意識することの少ないミネラルですが、大切な働きをしていますね。 ミネラルを意識した食生活を送りましょう。 週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。